📰 Dr. K's MORNING BRIEF
2026年10月5日(月)

何を数えたかで、数字は変わる。
日経は+2.93%、TOPIXは−0.91%だった。

現役医師 Dr. K が厳選した、健康・医療・金融の今朝のヘッドライン。

おはようございます。月曜日の朝のレポートをお届けします。

今日の隠れたテーマは 「何を数えたかで、数字は変わる」。先週の日経平均は2.93%上がりました。同じ5日間で、TOPIXは0.91%下がっています。インフルエンザの全国集計は8.48から7.17へ減りました。ただし定点報告が数えるのは「受診して診断された人」で、その週は連休でした。同じ週に、沖縄は1年7か月ぶりの警報です。今日の主題は、「自閉スペクトラム症は増えている」という通説に、全員を同じ方法で数え直して答えた韓国の研究です。健康・研究・お金の3ジャンルで整理します。

🩺 健康・医療ニュース

1.【答え合わせ】第39週の全国は7.17、前週から減った — でも減ったのは「受診」かもしれない

10月2日(金)、厚生労働省が第39週(9/21〜27)の全国集計を公表しました。定点当たり7.17で、前週の8.48から減りました。報告数は26,678人で、前週(31,428人)から約15%の減少です。それでも昨年同期(1.04)の約7倍で、47都道府県すべてが流行開始の目安(1.00)を超えています。

全国第36週第37週第38週第39週
定点当たり報告数3.295.548.487.17
報告数——31,428人26,678人
昨年同期0.500.720.801.04

同じ週なのに、向きが分かれました(第38週 → 第39週):

減った地域第38週第39週増えた地域第38週第39週
東京都15.219.51沖縄県26.2742.50
神奈川県14.718.59岐阜県5.6710.18
千葉県14.369.76岡山県1.403.12
富山県10.775.85福島県4.386.79
新潟県10.166.29埼玉県13.5614.17

減ったのは28都道府県、増えたのは19府県でした。

2.【警報】沖縄は42.50、1年7か月ぶりの警報 — 連休の週に1.6倍、いちばん多いのは60歳以上

沖縄県は10月2日、県内全域にインフルエンザ警報を発令しました。第39週の定点当たりは42.50で、警報の基準(30)を超えています。警報は2025年1月14日〜2月28日以来、約1年7か月ぶりです。

項目内容
定点当たり(第39週)42.50(前週の1.62倍)
警報の基準30を超えたとき(解除は10未満になったとき)
保健所別那覇市60.78/南部57.17/北部35.60/中部25.77/八重山25.00/宮古24.50
型別A型83.2%、B型0.0%、不明16.8%
年齢別の最多60歳以上 437人(23.4%)、次いで40〜49歳214人、1〜4歳205人(計1,870人)
学級閉鎖計12校(9/24〜10/2)

📚 注目論文・エビデンス

1.【今日の主題】自閉スペクトラム症は「増えている」のか — 全員を同じ方法で数えたら、12学年分で横ばいだった(JAMA Pediatrics)

韓国の1つの市で、小学校に入学する7歳児の全員を、毎年同じ方法でスクリーニングし、陽性の子には専門の診断評価を行いました。1998〜2010年生まれの12学年分を比べたところ、自閉スペクトラム症(ASD)の発症率も有病率も、増えても減ってもいませんでした。JAMA Pediatricsに9月14日オンライン掲載、10月2日にJAMAがニュースで紹介しています。

項目内容
デザイン前向きの、地域全体を対象にしたスクリーニング+診断評価(コホート研究)
地域韓国(論文の謝辞によると高陽市の教育委員会が協力)
対象1998〜2010年生まれの12学年。小学校に入学する7歳児の全員(調査は2005〜2017年)
人数62,081人 → スクリーニング陽性 2,077人 → 診断評価を完了 881人
スクリーニングASSQ(自閉スペクトラム症スクリーニング質問紙)
診断評価ADOS、ADI-R、知能検査、記録の確認。DSM-5基準で、臨床家の合議により診断
比べたこと生まれ年ごとの、7歳までの累積発症率と7歳時点の有病率。過去の診断・支援の有無(サービス利用歴)も記録

結果:

指標12学年の範囲傾向
7歳までの累積発症率1.9%(95%CI 1.5〜2.4)〜3.2%(2.7〜3.8)有意な増加も減少もなし
7歳時点の有病率2.0%(1.5〜2.6)〜3.4%(2.7〜4.0)有意な増加も減少もなし

さらに、通常学級にいて、それまで診断されていなかった子の中に、女の子が多く含まれていました。その子たちには特徴的な傾向があり、必要な支援を受けていないことも分かりました。

2. 体重は9.8%減った、ただしプラセボでも3.9%減っていた — 週1回の新しい肥満症薬サーボデュタイド(SYNCHRONIZE-2)

グルカゴン受容体とGLP-1受容体の両方に作用する週1回の注射薬「サーボデュタイド」を、肥満のある2型糖尿病の人で試した第3相試験です。76週で、プラセボより有意に体重が減りました。NEJMに10月1日オンライン掲載。

項目内容
試験名SYNCHRONIZE-2(NCT06066528)
デザイン多国籍・二重盲検・無作為化・第3相
対象2型糖尿病で、BMI 27以上の成人
症例数752人(3.6mg群250人/6.0mg群251人/プラセボ群251人)
背景平均55.7歳、BMI 36.5、HbA1c 7.4%、男性49.3%
期間76週
主要評価体重の変化率、5%以上の減量を達成した人の割合
解析治療方針推定量(途中で薬をやめた人、別の肥満治療を使った人も含めて評価)
資金Boehringer Ingelheim(開発企業)

結果(76週):

3.6mg6.0mgプラセボ
体重の変化−8.2%−9.8%−3.9%
プラセボとの差−4.3ポイント−5.9ポイント—
5%以上減った人57.6%64.5%35.1%
HbA1cの変化(基準7.4%)−0.9−0.8−0.2
消化器の有害事象72.8%77.7%38.6%

プラセボとの比較は、すべてP<0.001でした。

💰 金融・税制ニュース(今週の見立て)

1.【先週の振り返り】日経平均は+2.93%、TOPIXは−0.91% — 同じ5日間で、逆を向いた

先週(9/28〜10/2)の日経平均は1,945円高の68,309円46銭で、3週続けて上がりました。一方、TOPIXは37.59ポイント安の4,091.00で、週間では下落です。同じ5日間、同じ東京市場で、2つの代表的な指数が逆の方向に動きました。

日付日経平均前日比TOPIX前日比
9/25(金・前週末)66,364.20円—4,128.59—
9/28(月)65,877.62円−486.58円4,112.00−16.59
9/29(火)65,481.27円−396.35円4,041.13−70.87
9/30(水)66,753.72円+1,272.45円4,108.65+67.52
10/1(木)68,956.72円+2,203.00円4,131.98+23.33
10/2(金)68,309.46円−647.26円4,091.00−40.98
週間—+1,945.26円(+2.93%)—−37.59(−0.91%)

金曜(10/2)の中身:東証プライムの値上がり215銘柄、値下がり1,306銘柄。売買代金は約8兆2,978億円。上昇業種は非鉄金属・鉱業・石油石炭、下落業種は証券・不動産・その他金融でした。

米国(10/2):ダウは250.40ドル高の51,176.96ドル、ナスダックは319.26ポイント高の27,190.86。低調な雇用統計で利上げ観測が後退し、買いが優勢でした。

【答え合わせ】米9月雇用統計(10/2号で「予想は媒体により8万〜10万人程度と幅」とお伝えしました):

項目結果予想前回
非農業部門雇用者数+2.9万人約8.4万〜9万人8月 +16.2万 → +13.3万に下方修正
過去2か月の改定合計−6.0万人(7月は+2.1万 → −1.0万)——
失業率4.2%4.1%4.1%
平均時給(前月比/前年比)+0.1%/+3.0%+0.3%/+3.1%+0.3%/+3.1%
労働参加率61.8%—61.6%

2.【今週の見立て】火曜に植田総裁、木曜未明にFOMC議事録、金曜にSQと第40週

今週は、日米の金融政策を占う材料が火曜と木曜に並びます。金曜はオプションSQに加えて、インフルエンザ第40週(連休の影響がない週)の全国集計が出ます。

日付予定
10/5(月・今日)9月消費動向調査(14:00)、臨時国会召集、米9月ISM非製造業景況指数(23:00)、🩺 ノーベル生理学・医学賞の発表
10/6(火)植田日銀総裁が全国証券大会で挨拶(15:35)、10年国債入札、米8月貿易収支
10/7(水)8月毎月勤労統計(8:30)、8月景気動向指数(14:00)、新TOPIX構成銘柄の発表
10/8(木)FOMC議事録(9月15〜16日開催分、日本時間3:00)、8月国際収支、9月景気ウォッチャー調査、10月さくらリポート(日銀地域経済報告)、30年国債入札
10/9(金)オプションSQ、8月全世帯家計調査(8:30)、9月工作機械受注、米10月ミシガン大学消費者信頼感指数、🩺 インフル第40週の全国集計
Dr. K のひと言(月曜・"数え方"の話)

先週の日経平均は、2.93%上がりました。同じ5日間で、TOPIXは0.91%下がっています。

どちらも「東京の株式市場」の数字です。違うのは、何を、どう数えているかだけです。金曜は、東証プライムの8割を超える銘柄が下がっていました。

今日の主題も、数え方の話でした。「自閉スペクトラム症は増えている」と、よく言われます。でもその多くは、診断や支援の記録から数えた数字です。韓国の研究者たちは、同じ市の7歳の子ども全員を、12年間、毎年同じ方法で調べました。結果は、2〜3%前後で横ばいでした。

増えていたのは、「気づかれる子」だったのかもしれません。そして今も、通常学級で、誰にも気づかれずにいる子がいる。その中に女の子が多い。私は、こちらのほうが重い発見だと思います。

インフルエンザの全国集計は、8.48から7.17に減りました。でも数えているのは「受診した人」で、その週は連休でした。同じ週に、沖縄は1.6倍に増えて警報です。新しい肥満症の薬は体重を9.8%減らしましたが、偽の薬でも3.9%減っていました。

増えた、減ったと聞いたら、まず「何を数えたのか」を見る。数字そのものより先に、数え方を確かめる一週間にしましょう。

金曜日には、連休の影響がない第40週の数字が出ます。今週もよろしくお願いします🩺💰

📌 免責事項:本Morning Briefは情報提供を目的とした要約記事であり、医学的・投資的判断を行うものではありません。引用元の一次情報を必ずご確認ください。診療判断・投資判断は各専門家にご相談のうえ、ご自身の責任で行ってください。