「不動産投資を始めたいけど、何から手をつければ?」——医師が選べる4タイプを初期資金・利回り・手間・リスクなど7軸で比較。年収別おすすめ診断付き。
不動産投資と一口に言っても、実はまったく性質の異なる4つの選択肢があります。それぞれの特徴を理解してから始めるかどうかを判断しましょう。
医師の場合、高い信用力を武器に融資を引きやすいため、実物不動産(区分・一棟)の選択肢が広がります。一方で忙しさゆえ、手間の少ないREIT・クラファンも魅力的です。
初期資金・想定利回り・手間・リスク・流動性・節税効果・融資活用の7つの観点で比較します。
| 比較項目 | 区分マンション | 一棟 | J-REIT | クラファン |
|---|---|---|---|---|
| 初期資金 | 1,000〜3,000万円 | 3,000万〜2億円 | 数万円〜 | 1万円〜 |
| 想定利回り (表面) |
3〜5% | 5〜10% | 4〜6% | 3〜8% |
| 管理の手間 | 中(委託可) | 大(修繕等) | ほぼゼロ | ほぼゼロ |
| リスク | 空室・価格下落 | 空室・修繕・災害 | 価格変動 | 元本割れ |
| 流動性 (売却しやすさ) |
△ 中程度 | × 低い | ◎ 即日売却可 | × 途中解約不可 |
| 節税効果 | ○ 減価償却 | ◎ 減価償却大 | × なし | × なし |
| 融資活用 | ○ 医師優遇あり | ◎ フルローン可能 | 不要 | 不要 |
忙しさを最優先するなら→ J-REIT・クラファンが圧倒的に楽。管理の手間がほぼゼロで、当直明けに物件トラブルの電話が来ることもありません。
節税効果を狙うなら→ 実物不動産(一棟 > 区分)が有利。減価償却で所得を圧縮でき、高所得の医師ほど節税メリットが大きくなります。
資産規模を拡大するなら→ 一棟投資がスケールメリット最大。ただし借入額が大きく、失敗時のダメージも甚大です。
年収・家族構成・リスク許容度によって最適な組み合わせは変わります。あなたに合うタイプを見つけましょう。
まずは少額から経験を積むフェーズ。いきなり実物不動産に手を出す必要はありません。
NISAでのインデックス投資を最優先しつつ、余裕資金でREIT・クラファンを試してみましょう。
融資が通りやすくなる年収帯。区分マンション1戸で実物不動産を経験するのも選択肢。
ただし営業マンの勧誘が最も激しい層でもあります。焦らず比較検討を。
節税効果が本格的に活きる年収帯。減価償却を使った所得圧縮が有効です。
区分2〜3戸 or 小規模一棟が視野に入ります。REITとの分散もおすすめ。
法人設立 × 一棟投資の組み合わせが効率的。法人名義で融資を引き、個人の課税所得を分散。
ただし管理コストも増えるため、信頼できるパートナー(管理会社・税理士)が必須。
全タイプをポートフォリオとして組み合わせる余力がある層。
一棟 × 法人 + REIT + クラファンの三階建てで、リスク分散と節税を同時に実現。
| 項目 | 新築ワンルーム | 中古区分(築10〜15年) |
|---|---|---|
| 購入価格 | 2,500〜3,500万円 | 1,000〜2,000万円 |
| 表面利回り | 3〜4% | 5〜7% |
| 実質利回り | 1〜2% | 3〜5% |
| 価格下落リスク | 高(新築プレミアム) | 低(底値圏) |
高収入・高信用力ゆえに、医師は「カモにされやすい」側面があります。以下の3パターンは特に注意してください。
医師の高い与信枠を狙い、新築ワンルームや地方の高利回り物件を勧めてくる営業は後を絶ちません。「医師だから審査が通る」は事実ですが、それは「良い物件」という意味ではありません。遠方の中心都市の物件を勧誘されることも多いですが、自分の目で確認できない物件は危険です。
一棟投資で「自主管理で経費節約」を試みた結果、入居者トラブル・修繕対応で外来中にも電話が鳴り、本業に支障が出るケース。医師の時間単価を考えれば、管理委託費は十分にペイします。
「家賃収入があるから安心」と思っていたら、築年数の経過で空室率が上昇し、修繕費も積み上がり、売却時には残債割れ——。購入時に「いつ・いくらで・誰に売るか」のシナリオがない投資は投機です。
不動産投資は資産形成の「一部」であって「すべて」ではありません。まずはインデックス投資(NISA・iDeCo)を土台に、余裕資金で不動産を組み合わせるのが王道です。
| 資産クラス | 配分イメージ | 具体的な手段 |
|---|---|---|
| 土台:インデックス投資 | 50〜60% | NISA(オルカン・S&P500)、iDeCo |
| 第2層:不動産 | 20〜30% | 実物 or REIT or クラファン |
| 第3層:現金・債券 | 10〜20% | 生活防衛資金、個人向け国債 |
| サテライト | 5〜10% | 個別株、金、暗号資産など |
不動産の割合は年収・家族構成・リスク許容度で調整します。重要なのは「不動産だけに集中しない」こと。分散こそがリスク管理の基本です。
不動産投資に興味を持ったきっかけは、先輩医師の話でした。「家賃収入で月○万入ってくるよ」という言葉は、当直明けでヘトヘトの勤務医にとって魅力的すぎる響き。
「資産形成といえば不動産」——医師の間ではそんな空気がありました。でも正直に言えば、初期費用の高さ、維持費、管理の手間……イメージだけで「大変そう」という漠然とした不安もありました。それでも「やってみないとわからない」の精神で一歩を踏み出すことに。
結果、現在一棟を所持しています。で、実際どうかと言うと……正直、トントンです。
「え、儲かってないの?」と思われるかもしれません。でもこれがリアルです。家賃収入からローン返済、管理費、修繕費、固定資産税を引くと、手残りはほぼゼロ。「不労所得で悠々自適」なんて、少なくとも私の場合はまだ程遠い。
ただし、ローン返済が進めば資産として残るのは事実。「今はトントンでも、完済後は丸ごと収益」——そう自分に言い聞かせています(笑)。長期戦の覚悟は必要です。
一棟を持っていると言うと驚かれることもありますが、それ以上に大変なのがワンルーム営業の勧誘。これがもう、ものすごい。
病院の代表番号にかかってくる電話、学会場での名刺交換後のアプローチ、そして「先生、遠方の中心都市に良い物件がありまして——」というお決まりのパターン。札幌、仙台、福岡……自分の目で見に行けない場所の物件を勧められても、判断のしようがありません。
自分の目で確認できない物件には手を出さない。これは一棟運営の経験から学んだ鉄則です。
一棟を持つ一方で、J-REITにも投資しています。こちらは株式に近い感覚で売り抜けしやすく、始めるハードルが圧倒的に低い。
正直なところ、忙しい勤務医にとっては「物件の管理ゼロ・売却も自由・数万円から始められる」REITのほうが性に合っているかもしれません。実物不動産は経験として貴重ですが、全員に勧められるかと言うと……そこは慎重に考えるべきです。
インフレが進む中、不動産は実物資産としての価値があると考えています。ただし、闇雲に買い増すつもりはありません。
「良い物件にめぐり会えれば、さらなる投資をしたい」——これが今の正直なスタンスです。「良い物件」の定義は、自分の目で見て、数字で検証して、出口まで見通せる物件。営業マンの口車ではなく、自分の頭で考えて判断する。それができないなら、REITやインデックス投資に回すほうが賢明です。
不動産投資は「待つ力」が試されます。良い物件は待っていれば必ず出てくる。焦って買うのが一番の失敗パターンだと、身をもって感じています。
REITやクラファンなら数万円からスタートできます。実物不動産は経験を積んでからでも遅くありません。
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